真夏日を迎えた5月の日曜日。銀座のど真ん中に二匹の猫がいた。
ゆったりと身づくろいをする二匹の猫は銀ブラをする観光客に囲まれても知らんぷりだ。
誰かが仕掛けた日曜日の午後、意外な人だかりに人が人を呼んでいる。
銀座5丁目にいた二匹の猫は数時間後に6丁目に移っていた。まさかこの看板から6丁目と飛んで移動したとは思えないので、おそらく仕掛け人がいるのだろうとその辺をきょろきょろしたが、う~ん。
シュシュを首に付けて、だらりとしっぽを投げ出している。
ざらざらした舌で撫で肩の毛をきれいにしている。
何度も何度も前足をザラっとなめて、頭からくるりときれいにしていく。
そんなんで、本当にきれいになっているのかどうかが不思議だ。
唾液だらけにならないのかしら?
と考えるのは私だけだろうか?
猫はいいねぇ。
陽だまりの中がとても似合っている。
そういえば、うちの飼い猫は毛づくろいをいうものをしなかった。
彼は、いや彼女?(おかまである)はいつもお人形さんのように座っていた。
毛が長い猫にありがちの座り方、いわゆる、パンダ座りだ。
足はきれいに両足が開き、その間に両前足がある。
動かないのだ。
何時間も動かないので、来客が驚く始末だ。
「ひぇっ! 置物じゃなかったのですか?」
その声に猫の方があわてていた。
今は彼の定位置に骨壷が動かずに鎮座している。